
◆病院の枠を超えて 企業と人に寄り添う看護を 自分にあった働き方を 株式会社ALLINUS~オリナス~ 代表取締役 加藤瑞穂さん
━ なぜ看護師から起業を選んだのですか?
大学の看護学科を卒業し、病院の消化器外科で看護師の仕事をスタート。32歳のときに3名の看護師とともに訪問看護ステーションを立ち上げ、がん末期や難病、認知症、医療ケア児の看護に携わるようになりました。
訪問看護で多くの人を看取るなかで、「その人らしく生ききることを支えたい」という思いが強まる一方、医療という限定的な関わり方では解決できない課題も多くあることに気づきました。そこで、病気になる前から人と関わり、看護を届ける方法を模索し始めます。
そこで出会ったのがコミュニティナースという概念でした。
2020年には「まあるカフェ」を開き、地域の人々が気軽に集い、看護に触れられる場所づくりを実践。
行政や教育機関との連携を広げつつ、「暮らしのなかの看護」を最大化するために独立して2024年2月に会社を設立しました。
━ 暮らしのなかに看護を届けるために具体的にどんなことをしていますか?
企業の訪問看護師として、従業員が気軽に心身の相談をできる場所を設けています。「企業の保健室」のようなイメージです。
企業保健室に来る人の悩みは、更年期、婦人科、不妊治療、不登校、介護など多岐に渡ります。家族や大切な人の相談が多い印象です。
病院に行くほどではないグレーゾーンの悩みをすくいあげ、早期発見につながるような支援の場が提供できればと思っています。看護が担うべきは「気軽に話ができる環境を作ること」であって、医療行為は役割の一部に過ぎません。
看護師としてマイノリティなチャレンジですが、これからの社会に必要だと信じてひとつひとつの相談から学び、ひとつひとつ前に進めていると感じます
▲顧問先では講義や個別相談など企業に合わせてオリナス独自の企業健幸診断チェックを実施
━ 仕事とプライベートをどのように両立していますか?
仕事とプライベートの境界が分けられないほど、わたしは看護が大好きです。好きなことを仕事に重ねて突き詰めていけるのは幸せだと感じています。
とくに起業した今は自分で予定をコントロールできるようになったので本当にやりたいことに向けてスケジュール管理ができるようになりました
正社員で働きにくいと感じる女性は多いのではないでしょうか。起業してライフステージに合わせて仕事をするというのも選択肢のひとつだと思います。
病院勤めに疲れてしまって看護師を辞める人もとても多いです。そういった人たちに戻ってきてもらえる場所を作り、地域に眠っている力を引き出すことが目標でもあります。
後輩たちが輝きながら自分らしく働ける環境が整えられるよう、医師とも連携しながら、病院と地域をつないでいけたらと構想を練っています。
▲大好きな推し活や友達とラー活など、起業したことでプライベートの時間も充実
福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ
つらい時も、楽しい時も喜怒哀楽をおもいっきり味わいながら共に生きていきましょう。自分のスキルや専門知識を持つ方は、起業でゆとり時間を有効に活用するのもおすすめです。
自分らしい働き方を見つけ、未来を切り拓いていきましょう!自分の望む人生と仕事を重ね、ライフステージに合わせて柔軟に働き方を選べる優しい福井県でありますように。
<企業情報>
株式会社ALLINUS-オリナス-
福井県鯖江市本町1-3-19-3 101
https://allinus.co.jp/