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ふくい働く女性応援サイト

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「魚のプロ」として競り=競争社会で戦う女性部長の奮闘 株式会社ケンスイ 飲食事業部 部長 酒井 喜久枝さん

━ 漁業の世界に飛び込んだきっかけは?

前職で食に関する子ども向けのワークショップをする機会があり、食に関わる仕事に興味を持ちました。子どもの成長を感じられる仕事が楽しく、将来は子どもたちが集まる地域のコミュニティカフェを経営する夢を今も持っています。飲食について学べる会社に転職しようと思い立ち、ケンスイで「魚のプロ」になろうと決意しました。

ケンスイは鮮魚の加工や販売をするだけでなく、1次産業者として福井県第一号の大型定置網を持っているのが強みです。朝2時に起きて競りに参加して魚を仕入れる生活に慣れない時期もありましたが、熱意のある人たちと働けることが楽しく漁業の世界にのめり込んでいきました。


▲くら寿司の期間限定メニューにも採用されました

━ 男性が多い職場環境のなかでどうやって仕事を身につけていったのですか?

漁業の世界は圧倒的に男性が多いです。競り場でも事務系の人以外はほぼ100%男性ですね。ただ、業界全体に男女関係なくやる気がある人は誰でも受け入れる風土があり、当時38歳の主婦が未経験で転職してもすんなり受け入れてもらえました。


そうはいっても競り場は文字通りの競争社会。よい魚を仕入れるために、多くの時間をかけて戦略を練ってきました。量販店や外食チェーン店よりたくさん仕入れてもらえるようになり、様々な交渉して魚を買わせてもらったりしています。県内外の事業所と協力しながら、その時々の課題を解決しつつ、徐々に事業の幅を広げていきました。

━ 子育てと仕事の両立、どう乗り越えてきましたか?

転職したときすでに子どもは中学生になっていましたが、朝早くからの仕事や出張も多く、家庭とのバランスを取るのが大変でした。中学3年間は、2時に起きて朝の競りに行って、また家に戻ってお弁当を作って子どもを送り出すという生活。高校に上がるタイミングで母がサポートしてくれるようになり、仕事の幅を広げることができました。

正直、母親として女性として仕事を続ける壁を感じたり、活躍できる場が特定の業種に偏ってくると感じたりすることもあります。ただ、「壁を超えたらどうなるんだろう」と実験をしているような気持ちで取り組むようにしています。今は部長として決定権を持ってお客様や商談でお話することができるので、チャレンジを続けてきてよかったと感じています。


▲朝早くから働く自分へのご褒美に大好きなコーヒーを

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ

共働き日本一と評される一方、マルチタスクを要求されて働きづめの毎日を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
女性の「やりたい」を叶え、支え続け、育てる努力ができる社会になるようにと願っています。

<企業情報>
株式会社ケンスイ
福井県福井市高柳1-2201
https://fukui-san.jp/producer/kensui_020/?srsltid=AfmBOorwkJnESsV25XdVF3UAj3ciy6Ah4hMXltlJlBtlC4Ugyqu-Dr_p